20171231

第一酸素について   

私たちは独りでは完結できない 
呼吸でさえも 
対となるあなたの存在が 
もう二度と訪れない邂逅に 
ほとんどの現象を 
起こっている革命が 
実はいまここに在る事 
北からの便りが 
 例年より早く 
 多く届いた 
野営地の疲弊しないゲリラ小屋で 
凍えぬように 
化学物質の変化を 
 自ら起こし 
 地に這い蹲り 
 紅葉を拒絶し 
 根を刈り取られ
なお 
 第一酸素を吐き出し 
吐き出したことにさえ気づかず 
互いを気遣う 
 隣人が歌う 
その振動に反応し生まれた物質を 
あなた達は 
 第一酸素に変える 
 連鎖する鼓動 
孤独だった壁のない小屋に 
 火を灯す 
 耳をすます 
 絶え間ない振動 
 の間をぬって 
 北からの便りは 
 ムコウの山にぶつかり 
西風へと変貌を遂げる 
 足元から 
そう
あの白菜達を凍え上がらせた 
風は螺旋を描き 
 上昇する 
 その日しのぎの煙突を抜けて 
煙さえ燃やし 
 新しい炎となる 
 冬至が過ぎる 
 絶望はもう無い 
私たちは現象で在ることを 
伝承し続けて
 また春の種を 
 まく  

 
 

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