旅から戻る
空は桜色
四季を巡る旅が明けると
新しい芽が出ている
頭から爪先まで
血液筋肉思考の全てを
目を瞑り身を任せ
「そうなる方」へと
過去は暗い
社会は
不安を押し付ける
自然は
安心と脅威を
燃焼して火照った手を引いて
ここは社会ではないことを
政治家官僚企業様方が
ボヤボヤしてる間に
アンダーグラウンドでは
コミュニティが表現と集会を繰り返して
「あたらしいちから」を身につけてる
ワークショップという名の
金の亡者は別として
テロリストではない
詩人は
いかなる権力によっても
拘束できないのをいいことに
繁栄してゆく
とはいえ昔より笑顔が減っている
笑おうと誓おう
賃労働して
食物を購入して
就寝先を確保して
納税して
狂うのが
当たり前だと思っていた
あの頃は
不安で一杯だった
3年ほど前に拾った
あんずの苗木は
大きくなって
今年は満開の花を咲かせた
10年ほど前から触ってる
熊笹に覆われた放棄地は
ようやく作物を
植えれるようになりそうだ
長い話をして生きてる
振込金額が足りないと
即日電話や葉書で脅してくる
社会では生き難い
スピードが速い仮想現実に
基づいた現実社会
スピードは覚醒剤
スロウダウン、カームダウン出来ない
中毒者の集合体で
怪我しないよに
波間を抜けろ
子供達に芽生えたストレスの糀を
穏やかな菌で覆い尽くしたい
集まって社会を変える?
2人3人と家族単位
小さな世間がまず変わり
化学変化を起こしながら
集合体したものが社会
お互いに感謝と恩恵
そして迷惑かけながら
暮らす多様性
花と虫の関係
君は花で僕は虫
僕は虫で君は風
君は風で僕は花
自然農法家にとっては
晴耕雨読の逆もまた
雨が降らぬので畑をさわれない
雨を待つ支度にもひと段落
花見しかできぬ
今年も庭のグミの木が花満開
山からニホンミツバチがブンブン訪れる
平地の田畑は死んだが山は未だ死なぬ
その山も削られ個性のない戸建に
木を切らぬと
公約を掲げるもののいぬまま
西宮市は市長選へ
デモや選挙で変えることと
なにも変わらないことが穏やかである
という虫たちの世界は等しい
人が人である限り
等しくない人の世なら譲ってしまえ
譲って退いて穏やかに暮らせ
暮らしを照らすのは人ではない人の世
冬が開けるまでに刈った草は土となり
為せば成る
為さなくても成る
実は食わずとも種になる
種を暴くのは許されぬ行為
ただ継げばまた成る
春が穏やかに教えてくれる人として在り方
何も独占せず
一枚のパンも分けあえる
差別ない小さなコミュニティ
民は民であり営みは営みである
グミの木が咲いただけで
私たちに色色な事を教えてくれる
子どもたちはゴザをひき
笑い泣く
米を結びただ日が暮れるまで
穏やかに過ごす
学ぶことは惜しまず
惜しむことには執着せず
どこでも用を足し
どこでも火を焚く
どこにも欲はなく
どこでもよくなる
どこでもよい、だれでもいい
焦点はあわぬが
結んだ米は争点ではない
争いを放棄するための
欲を払うための箒で大掃除
日々住まいを変え
持つことや
保つことに
執着する事を辞め
ただ僕らが経験した
現象そのものを
次世代に口伝する
形には遺さないことそのものが
また現象になる
玄米を食べる事が身体に良い
しかし何分かに米を撞く
糠が出る
糠を撒く
鳥が食う
これもまた精神的に良い
渡り鳥は糠を食い
用をたす
庭にはまた
知らぬ名の樹が生える
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