暑い暑いなか田圃の草をとるしごと
80歳までやるとなると
あと40回ほどしかないなら
丁寧に丁寧に、と
社会が殺し合いながら淘汰されていく方向に
あればあるほど
僕の畑はコロサズの誓いが
深まっていくのです
自然農という言葉が完全にポップになり
本来の抵抗の意味が薄れた今
食糧を得る為に他の植物を生かし
そこに棲む虫や
小動物の生命を護りながら暮らす
反社会的農法を
コロサズという言葉に変換して
実験と実践を繰り返します
農業という経済活動を
充実しようとすればするほど
みなはビニールハウスを建て育苗し
草を嫌い薬を撒き
大きく沢山実らす為に肥しを与えます
自然栽培などという曖昧でヤバい言葉に捉われ
その結果時間を失います
反対に革命の実践者は
そういった経済的な仕事を
減らして減らして
季節感を取り戻す事によって
天気を読み
総てをタイミングで行うようになります
その結果
雨の日は休み、暑い時間は休み、
冬は休み、と
実践者は時間を手に入れることができます
抵抗に一番必要な『時間』を
手に入れることが出来るのです
それでは食えない、となるでしょう
食うものはあるのに
そうして自然の速度で出来上がった
充実した作物は、直売や市場などで
生産者から安く買われ
消費者には高く売られます
反対に
8年目となる僕の闇市の方針は
なるべく高く買い安く売る事を
大事にしています
自分の畑は別として
もちろんギフトカルチャーや
物々交換的な暮らしを取り入れながら
しかしそれでも売買という社会が
大多数一般的な常識となっているわけで
マーケットやワークショップなどの
商人的なダサめの発想ではなくて
そもそもを活動と捉えて暮らすと
くだらない嘘やストレスからは
解放されるというわけで
問題はあります
表裏関わらずそれでは
流通者はまったく
贅沢する余裕のあるような
利益を得られません
が、生産者消費者それ以上に人に会います
とても多くの、多くの顔が見える人に
助けられて励まされて生きて行きます
これもまた買い叩いたり叩かれたりする
ストレスから解放されます
総理大臣が誰であろうと
僕らは力強く美しく生きて行かねばならないのです
そう思いながらも
日々、コロサナカッタ草や虫に
全身を襲われ脱力しながらも
例えば今日のように
大雨が降り総てが流されたあとの
蛙がノンビリ鳴く程度の穏やかで
水の豊富な田んぼで身体を冷やします
しかし、それではとても
小さな社会でしか成り立ちません
時間を奪われてなお
大量の食糧を創りつづける
生産に人生を賭けたファーマーもいれば
貢献者もいれば
奴隷となり社会を動かし続ける方もいます
とんでもなくリスペクトです
全体として生きて行く為に
健康を害しながらも
遠くの見えない僕らに与えてくれる
呆けものの僕には神様にしか見えない
そんな神様が僕らの仲間にも沢山いて
若い世代も増えています
彼らは農園名を名乗ることもなく
自らの事をテロリストと称し
反社会的な
オーガニックな農作物を創り続けています
名前や商法や農法に囚われていた僕らよりも
とても話が早い、新しい動きです
ここまでの話は、界隈、と僕らがよんでいる
六甲山麓における
オーガニックアグリカルチャーだけのことです
平野部や都心部では通じない言葉
どういうことかというと
食糧を口に運ぶまでに
関わった登場人物と時間が
少なければ少ないほど
作物は美しくその形を保ち
それから料理する
その手から愛が加えられて
素敵な音楽でも聴こえたら
もう幸せでしかないわけです
もうすぐお盆です
旅に出てはいかがでしょうか
目が見えているか、だけを頼りにすれば
良いとおもいます
スニーカーを履いてバックパックを背負って
家を出ます
人工物を一切シャットダウンする
目を持ちます
そうすると景色はどんな都会であろうと
動植物のみに成ります
僕らはジャングルにやってきました
慣れてくると自生したもの
愛されて育てられているもの
ただ植えられただけのもの
薬も毒もふくめて総てが食糧です
手をかけられているものには
フェアな対価を払います
勝手に生えているものについては
そこを通る皆に平等で
なお繁栄するぶんは
残してすこうしだけ、摂取します
腹一杯になりたければ種を蒔きます
雨に流されたり
日照りに枯れたりして
僕らの汗が無駄になることも多くあります
落ち込んだり悲しいことや
辛いことも沢山あります
が、根付いた植物は花を咲かしてくれたりして
穏やかさを与えてくれたりもします
そこはどこですか
天、と誰かを通じて
戴いていますか
と、僕は自戒しながら
暮らします
今年の6月はうるう皐月だったので
爽やかで雨は降らず
こないだの新月から
梅雨時期だと捉えて支度していたので
雨の多い今
とても調子良いです
暦すげえ
季節は繰り返しますが
まったく同じ時間はこないんですね
毎日をおんなじように
常識的に暮らすことは
権力に牛耳られ易いと思います
僕は目覚ましをかけなくなって随分
日々違う道を通ると心がけて随分
経ちますが
とてもストレスが軽減されています
今日もコロシアワナカッタ、という
美しい思い出を
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