20170827



季節が変わったので
白菜、人参、大根諸々
次第に蒔いてこうと
思っているけれど
なかなか夜が明けない
世が開けない

やり続ける、と同じくらい
やらない続ける、とナンカある



種を蒔く、のと
祈る、のは似ている

クワやホーで整える時も一振りごとに
お辞儀をしているし
片手の指先を擦るように種を蒔くのも
何ごとか願ってる様な姿勢だし
覆土するのもそこらの草混じりの土を
両手合わせて揉み手で行い
残った草もアリガタヤと拝みながら
蒔いた種の上に両手を擦り合わせて、蒔いて

雨が降ります様に、とか
晴れます様にとか
本当になんだとかんだと
祈ったり願ったりしながら、蒔いて

蒔いて、蒔いて
冬が来て
閉ざされる前に足掻いて



近くの農婦のおばあには
815に白菜の種を蒔けと
毎年盆まで口酸っぱく言われる

彼女は露地、直播、手刈りを続ける
革命のプロだ
ハウスやマルチの様な
ダサいものは使わない公言し
それに無施肥を足せば
僕の理想的なスタイルになる

けれども鵜呑みにはしない
今年の春夏は
うるう皐月を体感しているし
そのせいかどのせいか
季節は例年より10日以上は全部遅くて
溜めて、溜めて
そして、蒔いた

大きく息を吸って
溜めて、溜めて
そして、吐いた

そうしたら渇いた大地に
雨が降った

願いも祈りもスグに届いた
いや、これは季節だ

季節感を取り戻せさえすれば
僕たちは
新しい暦や法に奪われた
時間、や自由、を
手にすることが出来るのではないか

餅大豆の花が咲き
赤大豆の花が咲き
稲の花にはまだ早く
蓮の花にはまだ早く

リリィの花が咲く
アケビの実が生る

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