20160413

山は与えたり奪ったりする

夏の草や
秋の草や
冬の草が
繁栄して
そして
枯れるまで待った

冬の終わり、というか
春の初めの初めの頃に
枯れて
色彩の抜けた草草を
丁寧に生命を奪った
かき集めて
積み上げた

暖かくなった今
春の草、山菜ともよばれる
カラスノエンドウ
ツクシ
カンゾウ
ノビル
ミツバ
ゼンマイ
ワラビ
タケノコ

春の野菜には
まだ早い、いま
ありがたい
山菜、食糧に
覆われてきた

今年は暖かい、と
夏の苗を
山菜をかき分けて
植えた
油断していた

おとといの寒さ
霜がおりて
軒並み枯れた

山水をひいた
田んぼに
丁寧に
団子を並べた

並んだ人為的な美しさにかまけて
草をかけていなかった
油断していた

寒さの後
そこにあるはずの団子が
消失していた
もしくは
砕かれていた
黒い鳥は
米粒を腹一杯食べたようだ

寒さの前
福島での大きな山火事の後
強力な低気圧は
放射性物質を運んだのち
大雨が総てを流した

山が、自然が
与えて
そして
奪ってゆく 





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