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地震の話は怖くて無理だよ

けれど

体験を誰かに話しておかないと

たくさんの人が言葉を捨て

一心に祈る空気は好きだし



今年通った場所で15才の断想



高年齢化で集いが減っているみたいだけれど
それは大人たちの話


当時の子供だった僕らは

やっと思い出せたり
まだ誰にも話せないでいるんだよ








15歳の断想
避難した僕達は
国道は道自体の破壊と
崩れたビルやマンションと
燃える家で通れず
落石を避けながら
山道から祖母の家へ
すぐにトイレの水がなくなり
近くのドブ川へ汲みにいった


15歳の断想
避難中燃える家とは別に
ドラム缶焚火が
路上に放り出された人を
救っていた

路上の人は焚火があれば救われる


15歳の断想
瓦礫を避けながら進む
ジムニーのカーラジオから
地震‥死者数名‥などと聴こえて
目の前に少なくともこんなに沢山の人が死んでいるのに
よく知らないで伝えるなという怒りみたいな気持ちと
早く沢山の人に知らせてみんな助けに来てよという気持ちだった


15歳の断想
その時いた山裾のマンション

どんな音楽よりも破壊的な音と、
実際に壊れていく音。

ダイニングの机の下で部屋の端から端まで永遠に揺さぶられる振動。

揺れながらみる景色は電気が全て消えあらゆる所からの火の手で町が燃えていた




ふらふらと歩く
あの頃はこんなに足が速くなかった
もっと時間は長かった

silent

音のない世界へ



鎮魂

の言葉の重みで胸が痛い


焼香して手を合わせる

目を閉じる

まぶたの裏、ろうそくの火が明るい





何年経ても
火と水と食料が

僕たちを救ってくれたことを忘れない

あなたを忘れない




たくさん思い出したことがあるけれど
少しずつ
また来年も
生きて