20260306

封鎖と流域

ホルムズ海峡が事実上止まると、世界の物流やエネルギーの流れが揺らぎます。
石油や物資が一つの海峡を通って動く構造では、そこが詰まるだけで人や物の流れが止まり始めます。

世界にはこうした「通り道」がいくつもあります。
港、運河、海峡。
流れが一箇所に集まるほど、その場所は強い力を持ち、同時に脆さも抱えます。

山の農をしていると、これとは少し違う流れを感じます。

六甲山の畑では、雨は地表に溜まるより土に浸透し、地下側方流として斜面をゆっくり移動していきます。
棚田やあぜはその流れを穏やかにし、水や有機物を土地の中へと分散させます。

水は一つの場所を通るのではなく、土の孔隙や根のまわりを通りながら、流域の中で静かに広がっていきます。

重力が流れをつくり、地下の連結がそれを支え、時間の中で土壌の構造は安定していきます。

山の水には、封鎖できる海峡がありません。

流れは分かれ、つながり、またどこかで合流しながら続いていきます。
そうした流域の構造の中に、農もまた静かに置かれているのだと思います。

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