20260314

くるみは、山の木の中でも少し特別な存在です。

沢沿いや谷筋に生え、水の動きと一緒に広がっていく。
そしてジュグロンという物質を出し、周囲の植物を抑えながら自分の空間をつくる。

つまり、くるみの木は
水の流れと撹乱の中で場所をつくる木です。

実の中身はさらに極端で、
脂質が約65%。
植物の実としては異常に高いエネルギーを持っています。

だから昔の山の暮らしでは、
くるみは冬の保存食であり、携帯食でもありました。

殻を割り、実を取り出し、ゆっくり火にかけてローストする。
この時間のかかる作業そのものが、山の食文化だったのだと思います。

くるみは、ナッツというより
山の油脂作物。

焚火でゆっくり火を入れると、
水分が抜け、香りが立ち、保存性が上がる。

料理としてはとてもシンプルで、
砕いて味噌と合わせるだけでもいいし、
すり潰せば濃い油が出て、山のペーストになります。

山の木がつくるエネルギーを、
人がゆっくり取り出して食べる。

くるみは、そんな食べものです。

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