20260301

オリーブの断想

朝露は葉面に凝結し

光は葉脈を伝い

呼吸は植物の蒸散と寄り添う


芽は土粒子の間を押し広げ

種子は根の糸と小さな命の抱擁を待つ

木の幹は樹液を循環させ

身体は静かな心を抱き

未来を貫く


夜風は枝を揺らし

葉から水分が空へ溶け出す

花は草間から顔を出し

雨を吸い込み柔らかに光を反射する


土に触れると心は揺れ

栄養のめぐりに意識は溶け込む

葉面の光と蒸散のリズムが

身体の呼吸と共鳴する


オリーブの影に耳を澄ませる

壁に映る孤独

銀色の風の虚しさ

鉄の航跡に揺れる痛みも

樹液と水脈に溶け

循環の中に抱かれる


水面に揺れる小舟は

願いを胸に

希望の芽に触れる

光合成と蒸散

土壌水分と栄養循環の中で

すべては流れ

すべては繋がる


怒りも哀しみも祈りもめぐる中に溶け

声なき声は微生物の糸に乗り

水脈と樹木の年輪にそっと残る


***


空に響く轟音

火と煙の影が揺れる街

空港は静まり返り

人々は屋内で息をひそめる

砲火の連鎖の中

避難と不安が砂の風に舞う

また何もできず祈るだけの日々





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