20260311

啓蟄。

畝間の溝を切っていると、土がほろっと崩れて、コガネムシの幼虫なんかがころんと出てくる季節になってきました。

ふとした瞬間に、土の奥からムワッと春の匂いが上がってくることがあります。
あの匂いの正体のひとつが、**ゲオスミン(Geosmin)**という物質。
土の中の放線菌(Actinomycetes)という微生物が作り出す、いわゆる「土の匂い」です。

冬のあいだ静かだった土壌は、地温と湿りが少しずつ戻ることで微生物が再び活動を始めます。
そこにミミズや昆虫の幼虫、ダニやトビムシなどの土壌動物が動き出し、土が攪拌され、有機物の分解が進む。
そのときに立ち上がるのが、あの春の匂いです。

畑の表面はまだ静かでも、土の中では無数の生き物が動き始めています。
溝を一本切るだけで、それがよく分かる季節になりました。

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